沖縄懇話会30周年記念誌
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51尾身さんご自身の経歴もありますし、実は沖縄懇話会ではオリックスの宮内代表も、 ダイキン工業の井上代表も、ウシオ電機の牛尾氏も、国内でも成功されていますけれども、海外でも大きく事業展開されています。グローバルにものを考える観点があるんですよ。定時総会やラウンドテーブルだけでなく、普段の会議や懇親会などの機会を通して、我々沖縄の経済人にグローバルな考え方を注入していただきたいと思います。今、結構若い会員が増えているんですよ。沖縄懇話会設立当時は、沖縄が苦しい思いをしたからということもあったんですけど、むしろ今は沖縄の将来性が注目されている形なんですね。これから発展していく可能性が大きく見えている。世代交代というのは当然進んでいきます。むしろ若い世代が国境を越えてグローバルに、若い感性でやっていけるだろうと思いますし。そこに期待したいと思います。いつまでも中国だけではなくてASEAN諸国(ベトナム、ラオス、カンボジア、ミャンマー、インドネシア、マレーシア等)がどんどん成長してきています。昨今の経済成長で中間層が増えています。2010(平成22)年に調査したデータによると、2020(令和2)年までにアジアの中間層が10億人増加することが報告されています。この中間層が海外に行く時、アジアに一番近い日本である沖縄が選択肢になります。沖縄の経済が成長したのも、観光客がどんどん増えているからです。新型コロナ問題の影響はありますが、収束すればインバウンドはさらに増える。これが経済の起爆剤になると思います。しかも観光というのは、かなり末端まで浸透して、農業や漁業という一次産業も潤いますね。せっかくだから地元の新鮮な食材を食べたいと考える観光客は多いんですね。しっかりと受け皿を整備することで、沖縄の経済には伸びしろがあると思います。ただ、オーバーツーリズムという声が上がらないように、取り組みをしっかりやらないといけません。そういうことを海外の投資家が見ていて、沖縄への投資も進んでいます。その代表例が、ハレクラニやノボテルなど世界の一流ホテルが沖縄に関心を持って開業していることです。また、沖縄は国際観光とOISTによる知的クラスターの形成というキーワードで、国家戦略特区の一つに指定されています。その時の閣議で表明されたのが、アジアにおける日本のフロントランナーとして、発展する経済のダイナミズムを吸収できる潜在的な可能性を大きく秘めているということです。ついては総合的かつ積極的に支援しますと閣議決定されたわけです。潜在的な可能性の一つに返還予定地があります。浦添のキャンプキンザーや那覇軍港が返還されれば、空港からも港からも近いので物流のバックヤードとして使えますし、企業誘致などの可能性も秘めています。今後、沖縄懇話会としても経済の基盤となる、そういった提言をしていくことになると思います。プロフィールあさと まさとし1948(昭和23)年、沖縄県宜野座村生まれ。1973(昭和48)年、琉球大学法文学部経済学科卒業、沖縄銀行入行。審査第一部長、取締役本店営業部長などを経て、2002(平成14)年、代表取締役頭取。2011(平成23)年、代表取締役会長に就任。沖縄県経営者協会会長も兼任。2017(平成29)年、相談役。2019(令和元)年より現職。沖縄懇話会では、2006(平成18)年から2018(平成30)年まで事務局長、2016(平成28)年から沖縄側代表幹事を務め、現在に至る。――グローバルな視野での大きな構想、それを持つ政治家はなかなかいらっしゃらないですよね。――これからの沖縄懇話会に期待されることは?――若い世代の皆さんは、沖縄の将来性や可能性をどの辺りに見いだしてらっしゃるんですか?

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